2009年9月27日日曜日

情報は物に寄生して生きている!?

情報、情報、、、情報化社会、IT(=情報技術)、、、情報って一体何なのでしょう?Wikipediaには、「人の判断・意思を左右・決定させる すべての事象」と書かれています。情報には質量もカタチもありません。なので、「物」ではないのです。つまり人間を人間たらしめているのは「DNA」とい う物ではなくて、そのDNA上に書かれている情報なのです。

しかし、その情報は物がないと生きていけません。MP3の音楽はiPodがないと聴けませんし、CDという物がないと売れません(ダウンロード販売 の時は回線とかPCとか)。つまり物という20世紀的な工業社会的な価値観の産物である「物」という価値観に付随しなければ情報は生きて行けないのです。

情報が真に情報として行き続けることはできるのでしょうか?それでは情報とは何か!?という議論。

DNAに書かれた塩基配列は遺伝子を形成し、遺伝子はアミノ酸を合成する設計図だ、という話を聞いたことがありますが、DNAで血液型とか肌の色と かが遺伝するのは理解できるのですが、例えば生まれたばかりのカッコウの雛が、自分の生存のために他の雛鳥を巣から蹴落として殺してしまう!事実はDNA では伝わらないと思うのですが、、、一体どうやって誰も教えていないのに「本能」は芽生えるのでしょうか?

DNAの情報もそうなのですが、それをネットワークとして捕らえるともしかしたら理解できるのかも知れません。真の情報はネットワークとして存在するのでしょうか?

2009年9月26日土曜日

妻の誕生日に「土地」をプレゼントしました

今月の23日は妻の誕生日だったのですが、僭越ながら、、、土地の権利をプレゼントいたしました!

、、、と言うと、その時に同席していた私の高校時代の友人たちも一瞬どよめいたのですが、どこの土地かは申し上げていません!無人島?アマゾンとか!?いえいえ、月の土地です。

ルナ・エンバシーというところが月の土地を販売しています。一応「月の土地を個人が所有してはいけない」という規定は1967年に発効した宇宙条約にはないらしく、米国政府と旧ソビエト政府にも問い合わせたようですが、、、まあ、99%はシャレですが!

1エーカー3,000円です。数日で妻の名前入りの土地の権利書が届きました。受け取った妻は微妙な表情でしたが、、、でももしかしたら数十年後(数百年後!?)その1エーカー内に高速道路の計画が持ち上がって、高い金で買い取ってくれたりするかも知れません!!

ちなみに今日の月は半月と三日月の間くらいで、妻の土地(雲の海)は見えませんでした、、、

ちなみに火星の土地や金星の土地も売っています。鳩山総理の奥さんに贈ったら喜ばれるかも!?

2009年9月16日水曜日

WebサービスにGRIDを適用させるということ

知らず知らず歩い~ていた♪じゃないですが、、、Web2.0だ!何だ!!と世間が騒いでいる間に粛々とWebの裏側ではグリッドとの融合が進んでいるんですね!グー○ルさんとかも公開情報ですけどGRIDの技術が支えています。またWebの世界ではないですが、CERNでも必要に迫られてデータグリッドの研究と実証が進んでいます。  


BD(私の会社)でもBD内のサービスのグリッド化は日々進んでいます。うちの技術者はお手本のない道を技術力と想像力と若干の!?根性を片手に突き進んでいます。フツーのWebサービスを作るのだったら他社さんでも出来ます。BDは日本と世界を変えるのぢゃ!という気概で頑張っております。  


最近ふと思ったのですが、あるうちの技術者がGRIDとの結合部分を構築するのに四苦八苦している姿を見て、「産みの苦しみはあるけれど、Webと GRIDとをこんなに融合するシステムを構築しているのは君たちだけだっ!!」としみじみ思いました。日本でもGRIDをやっている企業は正直結構あります。ではなぜBDなのか!?あれほど「できない」「お金にならない」となじられて来たPCグリッドをビジネスレベルで成功させているのはBDだけではないでしょうか?PCを資源と捉えて、口先だけではなくて実際にネットワーク化して資源を運用している企業はどこにあるのでしょうか?


まだまだ試行錯誤もあり、大変な部分もありますが、ブランドダイアログという企業と社員たちを私は自負しています。

BD=ブランドダイアログ株式会社(http://branddialog.co.jp)

2009年9月15日火曜日

複雑系とボーズ・アインシュタイン凝縮


と、とんでもないことが起こっています・・・私が今までいかに無邪気にのほほんと過ごしていたのかと悔やまれるほどです・・・
今、「新ネットワーク思考(アルバート=ラズロ・バラバシ著)」という複雑系科学の本を読んでいますが、パウロが目から鱗(うろこ)のようなものが落ちた、そのときのような激震が私の中に走りました。アマチュア的な捉え方かも知れませんが、それにしてもまさに今、社会や科学、人類の生き方に一石を投じるような発見が相次いでいることを垣間見ました。
マニアックな内容となりますが、複雑系というネットワーク理論の考え方の中で、あるネットワーク(例えばインターネットのウェブ・ネットワーク)の性質を調べて行くと、ミクロの世界(素粒子など)を記述する量子力学的な効果のひとつである「ボーズ・アインシュタイン凝縮」という現象がマクロな世界に表出するというのです!これは衝撃的な事実です。ボーズ・アインシュタイン凝縮というのはWikipediaによると、「ボース粒子において、多数(巨視的な数)のボース粒子が1つの量子状態(最低エネルギーの状態)を占める現象」 とありますが、難しいことはさておき、何気なく毎日使っているウェブに約100年前の物理理論が適用できるとは!
で、それだけならただの「驚き」で良いのですが、ブランドダイアログが進めているプロモーショナルグリッドがまさに複雑系であり、またウェブ・ネットワークなのです。まさか自分が取り組んでいるビジネスに100年前の物理理論が必要だとは夢にも思いませんでしたが、取り組むだけの価値は十分ありそうです。
どうやらこれから一生かけて取り組むことになりそうな雰囲気さえします^^;

創発という概念


「創発」という単語知っていますか?私は初めて聞いたのですが・・・ATOKでもMSIMEでも変換されないのでメジャーな単語ではないのは確かです!
Wikipediaには、「創発(そうはつ、emergence)とは、部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れることである。局所的な複数の相互作用が複雑に組織化することで、個別の要素の振る舞いからは予測できないようなシステムが構成される。」
とあります。例えば、「水の分子一個だけ存在していてもそれは氷でも液体の水でも水蒸気でもなく、「水分子」の性質を持つ「水分子そのもの」にしか過ぎないが、複数個集まると、ただの「複数の水分子の集まり」ではなくて、氷や液体の水や水蒸気といった全く違った性質が現れる」ということです。
それはヘーゲルが提唱した哲学で言う「アウフヘーベン」という弁証法と似ているのかも知れません。「古いものが否定されて新しいものが現れる際、古いものが全面的に捨て去られるのでなく、古いものが持っている内容のうち、積極的な要素が新しく高い段階として保持される。」とWikipediaにありますが、例えば、
  • 私は「Wii」をやりたい
  • 俺は「テニス」がしたい
  • それじゃ、「Wiiでテニス」をしよう!
みたいなものです(違うかな!?)。そういった意味では創発という概念は、必ずしも全く新しい概念という訳ではないのかも知れません。
全然業務に関係なさげなことのようですが・・・実は違います。この概念を広げて行くと、IT技術とマーケティングやプロモーションが非常に高い次元で一致できるのです。

グリッド→グリッドネットワーク→クラウド→複雑系ネットワーク


この1年半くらいの間、仕事も趣味もグリッドみたいな生活が続いていますが、取り組んでいる内にいろいろな発見がありました。
1.グリッドはクラウドであり、クラウドはグリッドであるということ
GoogleやAmazonがクラウド、クラウドと声高らかに叫んでいますが、要は貸す「リソース(資源、PC、サーバ)」がどこにあるのか?という違いです。GoogleやAmazonは自前でサーバをとんでもなく多く抱えているので次なるビジネスの布石としてその余剰リソースを開放している訳です。BDはそもそもリソース自体をほとんど所有せずに、リソースを貸し借りします。要するにGoogleやAmazonのクラウドの概念とも違うのです。
2.クラウドはネットワーク化されるということ
GoogleやAmazon、Sun や大学、研究所などもグラウドビジネスを開始していますが、まだまだクラウドはそのクラウドだけで閉じています。つまり「閉じたクラウド」です。グリッディも独自でクラウドを構成します。そのクラウド自体は非常にセキュアな殻に覆われているのですが、GRIDYクラウド同士が緩やかに連携し合って、全体として巨大なクラウドを形成します。最大42億台のPCやサーバを接続し、巨大な一台の仮想スパコンとすることができます。この仮想スパコンの無尽蔵の能力を使ってWebサービスを提供したら一体何ができるのでしょうか?想像するだけでワクワクします!!
3.複雑系ネットワーク
私たちがグリッドやクラウドを構築して行く中で、ある時私が加入している情報処理学会の会誌に「複雑系」の話題が出ていました。知り合いの研究者が複雑系を専門にやっていて、「火であぶった金網の上でカニを歩かせて何回こけるかの研究」をロシアで開かれた学会で聞いてきたとか言っていたので「何じゃそりゃ!?」と思っていたのが数年前、その学会誌の記事を読んで本当に驚きました。百年に一度のパラダイムシフトがこんなに身近に起きているとは・・・私たちが構築しているクラウドネットワークは「巨大な仮想スパコン」としての能力だけではなく、そのネットワーク(繋がり)自体が今までにない新しい概念であり、その繋がりをキーにして様々な新しいビジネスやサービス、また研究が派生していく可能性を秘めています。

自己組織化


なぜ砂時計の砂は落ちると山を維持し続けようとするのでしょう?
なぜ人は群れるのでしょう?
なぜ流行は生まれるのでしょう?
・・・えぇ!当たり前じゃん。砂時計は上から砂粒落としたらころころ転がるだろ!人は性格の合うヤツらが集まるんだよ!流行はテレビCM流せば生まれるだろ!!そりゃそうなんですけど・・・私もなんでこれが科学として扱えて、また儲けを追求すべきビジネスの現場で語れるのか!?と疑問を持っていました。
砂時計の例で言うと、砂時計の下部の落ちてくる砂が形成する山をよ~く眺めていると、ずるっ、ずるるるっとたまに雪崩のような崩壊を起こして、山の裾野が拡がって行く様子が観察できます。この雪崩の大小と頻度の間には「べき乗の法則」が成り立っているということを1986年にデンマークのパー・バックが発見しました。
べき乗分布というのは両対数グラフで直線を描く分布のことです。なんか実生活とかんけーねーな!と思われるかも知れませんが、いいえ、ロングテールビジネスとか80:20の法則とかはなぜ有名になったかというとこのべき乗分布に従っていることが見出されたからなんですね。人間の行動(例えば有名な本は飛ぶように売れるが、マニアックな本は全然売れないが年に数冊は売れるという分布)と人間の意志が関わっていない砂時計の山の崩壊現象(地震の規模と頻度、株式の変動など例を挙げれば枚挙にいとまがない!)がなぜ同じべき乗分布に従っているのでしょうか?
で、自己組織化ですが、砂時計の砂山、誰も山を保ってくれ!とは言ってないし指示を出す者もいないんです。砂粒は次から次へと流れ行くのですが、あたかも砂粒たちが総出で砂山を保とうとしているかのようです。そうです、砂山は砂山自身によって安定した形状を保っているのです。このような状態を自己組織化と言います。しかもその安定性は静的なものではなく、流動的な砂粒の流れによってかろうじて維持されているのです。これを臨界状態と言います。
流行も流行の当事者(消費者)が「流行を起こそうと思って」たまごっちやらを買うのではありません。ひとり一人は単純に欲しいから買うんであって、社会全体から見ると「流行っている」のです。その姿はあたかも砂時計の砂山のように流動的な消費者の動向によって流行がかろうじて維持されている、つまり臨界状態を保っているように見えます。このあたり、うちのビジネスと何が関係あるの!?と思われるかもしれませんが、グリッドとかクラウドとかをやっていると見えてくるものがあるんです!まあ、ちょっと先の話かも知れませんがーー。

Boid(ボイド)


鳥や魚が群れているシーンを映画なんかで観ることがあると思います。バットマンとかで無数のコウモリが飛び交ったり、ペンギン軍団が群れていたりするやつです。ひと昔前まではコンピュータグラフィックスだったとしても一匹一匹の動きを全部一こまずつ動かして表現していたようですが、今は鳥などが自然に飛び交っている動きはコンピュータシミュレーションで実現することができます。しかも、一匹ずつを支配しているルールは簡単で、「引き離し(近づきすぎたら離れる)」「整列(近くの個体に方向や速度を合わせる)」「結合(離れすぎない)」だけなのです。この3つの約束だけであの「自然な、生きているような」動きを実現することができるのです。
これは、コンピューター・グラフィックスを研究していたクレイグ・レイノルズが1986年に鳥の群れをプログラムで表現できないか、と考え、実際の鳥の行動を調査しているときに気づき実際にプログラムを作ってみたら、あら不思議。本物の鳥の群れ行動と見分けがつかないほどの本物の鳥の群れそっくりの、予測のつかない行動が実現できてしまったのです!誰も「群れろ!」とは指示していないのに(3つのルールの中には「群れなさい」という指示はないのに)勝手に群れてまるで生きているように振る舞うのです。
boidというのは「鳥もどき」という意味のbirdoid(バードイド)の省略語のことです。鳥(というか生き物)の行動は非常に複雑怪奇なのに3つの超単純なルールで同じような動きを表現できてしまうのです。この事実は実は非常に深い意味を持っています。