2009年9月15日火曜日

自己組織化


なぜ砂時計の砂は落ちると山を維持し続けようとするのでしょう?
なぜ人は群れるのでしょう?
なぜ流行は生まれるのでしょう?
・・・えぇ!当たり前じゃん。砂時計は上から砂粒落としたらころころ転がるだろ!人は性格の合うヤツらが集まるんだよ!流行はテレビCM流せば生まれるだろ!!そりゃそうなんですけど・・・私もなんでこれが科学として扱えて、また儲けを追求すべきビジネスの現場で語れるのか!?と疑問を持っていました。
砂時計の例で言うと、砂時計の下部の落ちてくる砂が形成する山をよ~く眺めていると、ずるっ、ずるるるっとたまに雪崩のような崩壊を起こして、山の裾野が拡がって行く様子が観察できます。この雪崩の大小と頻度の間には「べき乗の法則」が成り立っているということを1986年にデンマークのパー・バックが発見しました。
べき乗分布というのは両対数グラフで直線を描く分布のことです。なんか実生活とかんけーねーな!と思われるかも知れませんが、いいえ、ロングテールビジネスとか80:20の法則とかはなぜ有名になったかというとこのべき乗分布に従っていることが見出されたからなんですね。人間の行動(例えば有名な本は飛ぶように売れるが、マニアックな本は全然売れないが年に数冊は売れるという分布)と人間の意志が関わっていない砂時計の山の崩壊現象(地震の規模と頻度、株式の変動など例を挙げれば枚挙にいとまがない!)がなぜ同じべき乗分布に従っているのでしょうか?
で、自己組織化ですが、砂時計の砂山、誰も山を保ってくれ!とは言ってないし指示を出す者もいないんです。砂粒は次から次へと流れ行くのですが、あたかも砂粒たちが総出で砂山を保とうとしているかのようです。そうです、砂山は砂山自身によって安定した形状を保っているのです。このような状態を自己組織化と言います。しかもその安定性は静的なものではなく、流動的な砂粒の流れによってかろうじて維持されているのです。これを臨界状態と言います。
流行も流行の当事者(消費者)が「流行を起こそうと思って」たまごっちやらを買うのではありません。ひとり一人は単純に欲しいから買うんであって、社会全体から見ると「流行っている」のです。その姿はあたかも砂時計の砂山のように流動的な消費者の動向によって流行がかろうじて維持されている、つまり臨界状態を保っているように見えます。このあたり、うちのビジネスと何が関係あるの!?と思われるかもしれませんが、グリッドとかクラウドとかをやっていると見えてくるものがあるんです!まあ、ちょっと先の話かも知れませんがーー。

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